インターネットの規制をする恐れのある条約「ACTA（偽造品の取引の防止に関する協定）」の締結に反対する人々が6日、首相官邸前に集まり抗議行動を行った。
ACTA（Anti-Counterfeiting Trade Agreement）は、海賊版の流通や知的財産権の侵害などの拡散を防止するために締結される国際的な枠組みを指す。実施に際しては、徹底した監視体制が敷かれるため、EU諸国などでは、表現の自由が侵害される恐れがあるとして、数十万人規模の抗議運動が起きている。中でも、心配されているのがインターネットの規制。違法アップロードや著作権違反が行われないように、ブロバイダーに対して厳しい管理を義務づけるなど、事実上の「検閲」が行われるとの懸念が高まっている。また違反をした個人には、強制的な情報の削除だけでなく、逮捕の可能性も出てくる。
首相官邸前での抗議行動を呼びかけた「Office 99%」の共同代表・遠藤修一さんは、ACTAの問題点について「今までは著作権は、著作権者が告訴しない限り刑事責任を問うことができなかったが、ACTAができると、著作権者が告訴しなくても、警察や検察主導で捜査や起訴を可能にしてしまう恐れがある。それが一番の問題」と話す。突如審議入りし、8月3日に参議院を通過したACTA。インターネットの息の根を止める可能性をも指摘されている重要な条約にも関わらず、大きく報じられないまま静かに国会を通過するのかー。間もなく衆議院での審議入りと見られる中、首相官邸前での抗議行動は明日も行われる。
ヨーロッパでは200を超える都市でデモが行われている。
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