愛のおそれ J'Ai Peur 作詞:ジャック・ドマルニー Jacques Demarny 作曲:Enrico Macias
‘66年にエンリコ・マシアスによって発表され、日本では同時期に作られた「ひとりぼっちのタンゴ」 (Tout Seul)のB面にプレスされて翌67年に発売された。
人間と生まれたら誰でもが抱く潜在的「怖れ」を描いた曲。
恋人との別離、友人・知人が離れてゆきひとりぽっちになったり、巣立ちをしてゆく子供たち、そして年を重ねて夫婦の意思の疎通に対する不安、何よりも死を迎える恐れ等々を淡々と歌にしていますが、私の訳は、個人としての器の問題もあり、日本語の歌詞にすることには尻込みせざるを得ず、別物としての作詞となってしまいました。(@_@;)
マシアスは、フランスの植民地下のアルジェリア・コンスタンチーヌに生まれ育ったスペイン系ユダヤ人であり、アルジェリア動乱・独立紛争に伴って本国フランスに「帰還」したピエ・ノワールと呼ばれる移住者の一人である。
1962年に最初に録音し、ヒットさせたデビュー曲「さらば、ふるさと」は、動乱のアルジェリアを離れる船上で作ったものだが、故郷と太陽と恋、そして何よりも愛と平和を訴えて歌うマシアスは、1960年代後半にアダモとともに日本に新しいシャンソン・ブームを作りました。
ピエ・ノワールの人たちに支えられながら次第にファン層を広げ、フランスはもとより、日本を含め世界中で人気を確立、一方でマシアスはアラブ・ムスリムとユダヤ人の対立が激化する中、2003年のアルバム『橙』(Oranges amères, Trema,などでアラブ=ユダヤの幸福な共生を訴え、歌ったりして、イスラエル支援を積極的に行い、彼の周囲には賞賛と拒絶のかなり激しい衝突が見られるという。
参考
「君の話をしておくれ」
https://youtu.be/K8LFIFz3Gjo
「愛しあう二人」
https://youtu.be/aYhpqIzWgNM
「愛は生命」
https://youtu.be/rid2CzBf2vM
「幸せに涙して」
https://youtu.be/DEQFidfbO-A
訳詞・歌 Sima
Pf. 江口純子 in 市川 ラ・メール
訳詞 no.170 (初稿)
シャンソン・訳詞のチャンネル
chanson de Sima (Sima World)
https://www.youtube.com/user/fwhy3109/videos?disable_polymer=1