試乗記
201753Wed) 12:00
レクサス LC500 試乗LFA 直系を感じさせるV8の乾いた咆哮…諸星陽一
レクサスブランドから登場したプレミアムクーペ『LC』は、このカテゴリーとしては日本初のモデル。そのパフォーマンスは500台限定で発売されたスーパーカー『LFA』を彷彿とさせるものであった。
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レクサスブランドから登場したプレミアムクーペ『LC』は、このカテゴリーとしては日本初のモデル
そのパフォーマンスは500台限定で発売されたスーパーカー『LFA』を彷彿とさせるものであった
最初に断っておくがこのLCとLFAは全く別ものである
LCはその名が示すとおりのラグジュアリークーペ、LFAはスーパーカーの部類に入る
しかし、DNAは明らかにLFAのそれを引き継いでいると言える
なかでもピュアガソリンモデルである「LC500」は直系モデルであることを感じさせる
LC500に搭載されるエンジンは5リットルのV8で477馬力を発生する
LCはエンジン制御の関係で空ぶかしができないのだが、走行中にトンネル内などでアクセルをあおると、LFAで聞こえたあの“乾いた咆哮”がよみがえる
搭載されるミッションは10スピードのAT
もちろんMTモードも備えていて、2ペダルMTとして使うこともできる
いや、高速道路をクルージングするのでなければ、2ペダルMTとして使うのがLCの正しい使用方法だろう
なにしろ、その変速スピードの速さはまさに瞬時で、ステアリングのパドルスイッチを手前に引けば、スパンスパンと切り替わっていく
必要がないのにシフトアップやシフトダウンをやりたくなるほどに気持ちいい
また、トップギヤである10速は高速クルージング用に用意されたもので、100km/h時のエンジン回転数は1300回転程度とかなり低めとなる
ちなみにだが、ACCの上限速度は180km/hに引き上げられている
これは高速道路の最高速が引き上げられることを前提に、自工会内での自主規制が撤廃されたからだ
477馬力のエンジンは爆発的な加速を実現するのだが、その味付けはきわめてジェントルだ
加速時のボディの安定感は抜群にいい
嫌みのある振動や騒音はなく、人間の五感が求めている気持ちよさを見事に具体化したような加速を味わうことができる
さらに乗り心地についてもびっくりするほどのよさだ
試乗車は21インチの大径タイヤを装着、そのタイヤはサイドウォールが硬く、乗り心地には不利なランフラットタイヤ
でありながら、納得以上の乗り心地を獲得しているのは、プラットフォームやサスペンションなどシャシー性能が段違いにいいことを証明している
LC500はタイトなコーナーが連続することで知られる奥比叡ドライブウェイでの試乗が叶った
1000万円をオーバーし、全幅が1920mmにもなるモデルをこうしたシチュエーションでドライブするのは自然と緊張するものだが、LC500に至ってはそうした緊張を感じることなくドライブができた
クルマの動きが正確で手に取るようにわかり、完全にコントロールできていることを理解できるからだ
それは、ドライブモードをサーキットなどにも対応する“スポーツS+”としても同様であった
LC500は1300万円~という価格設定
おすすめ度については、価格を考慮せずに採点した
■5つ星評価パッケージング:★★★★インテリア/居住性:★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★★オススメ度:★★★★★諸星陽一|モータージャーナリスト自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる
20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦
サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中
趣味は料理
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