イーアクセス、携帯電話に参入~島田雄貴ITジャーナル(2005年)

2016-10-24 44

イーアクセス、携帯電話に参入-売上高10倍増狙う(2005年1月18日)~島田雄貴ITジャーナル

非対称デジタル加入者線(ADSL)大手のイー・アクセスは携帯電話市場への参入により、中長期的に売上高の10倍増を目指す。2005年3月期(単体)の売上高が580億円見通しなのに対し、携帯事業を軌道に乗せた段階で5000億円規模へと大幅増収を狙う。2005年秋にも周波数帯が1・7ギガヘルツ帯の第3世代(3G)携帯電話の免許を取得し、最終的にはデータ通信と音声通話から成る携帯電話サービスの全国展開を図る方針。携帯電話市場へはソフトバンクも参入を表明しており、NTTドコモなど実質3社寡占の業界勢力図が塗り替わる大きな節目を迎えつつある。

イー・アクセスは周波数帯が1・7ギガヘルツ帯で通信規格にFDD(周波数多重分割)方式を採用した第3世代(3G)携帯電話への参入を目指している。2005年秋にも無線基地局の免許を取得し、基地局整備などに約3000億円を投資。2006年中に主要都市を中心にサービスを開始し、最終的には全国展開する方針だ。

収益面では「(携帯参入から)3年目に単月ベースで黒字化し、(中長期的には携帯電話事業の売上高を)ADSLの10倍を目指す」(種野晴夫社長)。イー・アクセスの2005年3月期(単体)はADSLを中心に売上高580億円を見込んでおり、中長期的に5000億円程度への規模拡大を狙う。

携帯電話サービスは月々一定額を支払えば通信量が定額の割安データ通信サービスを核に音声通話サービスも提供する予定。ノートパソコンに差し込むカード型および通常の携帯電話端末による両サービスを展開し、データ通信を頻繁に使うADSLユーザーをターゲットに市場拡大を図る。また室内ではADSL、屋外では携帯電話網に接続できるサービスも商用化、個人に加えて法人市場も視野に入れている。

イー・アクセスは2004年12月に携帯参入に備えた事業企画会社、イー・モバイルを設立。携帯参入が実現した段階でこの企画会社を携帯事業会社に組織替えし、ADSL主体の本体と二本立ての経営組織にして事業拡大を進める。

携帯市場はNTTドコモやKDDIによる通信料競争が激化している。イー・アクセスやソフトバンクなどの新規参入が実現すれば、シェア争いに伴う通信デフレの加速は避けられそうにない。

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