【サッカー/フットサル】第94回全国高校サッカー選手権大会 中京大中京高校 vs 札幌大谷高校 MF辻星哉 フリーキック 50m FK
参考)http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160102-00010012-soccermzw-socc
選手権史に残る50メートルのスーパーFK弾 中京大中京MF辻「最初から狙っていた」
札幌大谷高GKのクセを見抜いた
約50メートルの鮮やかなアーチがNACK5スタジアムの青空に描かれた。第94回全国高校サッカー選手権大会は1月2日に各地で2回戦が行われ、中京大中京高校(愛知)は札幌大谷高校(北海道)を3-0で破りベスト16へ進出した。
2-0とリードして迎えた後半12分にスーパーゴールが決まった。センターサークル内でのファウルで直接フリーキックを得ると、中京大中京MF辻星哉は間髪入れずにクイックリスタートを決断。それも、味方へのパスではなく短い助走からそのままゴールを狙った。観衆のどよめきと共に飛んだ超ロングFKは、美しい放物線を描いてそのままゴールへ。3-0とリードを広げ、勝利を確定的なものにした。
スーパーゴールの立役者には、冷静な分析があった。同じ会場で行われた1回戦で、対戦相手の札幌大谷はGKがかなり前にポジションを取ることを発見していた。
「最初から狙っていました。前の試合を見てGKが前に出ていると思ったので、『ここだ!』と思いました。どこかで打とうと思っていて、体が反応しました」
ロングシュートは、辻の得意技なのだという。小学生時代からキック力に恵まれ、広いシュートレンジを武器にしてきたそうだ。コンパクトに足を振るのがポイントだというロングキックは、ハーフウェーラインからならクロスバーを軽く超えることが可能だという。練習試合では何度も決めてきたが、公式戦ではこれが初ゴールになった。「全国の舞台で決められて本当に気持ち良くて、嬉しいです」と、声を弾ませた。
.
3回戦は王者星稜戦 「次も決めたい」
今大会は2戦連続でキャプテンマークを巻いているが、本来は副キャプテン。チームのキャプテンはMF石川将暉だ。しかし、石川は昨年12月に左足ハムストリングの肉離れで離脱し、復帰しかけた年末にも再度負傷。現在は時間限定でのプレーなら可能な状況にまで回復しているという。初戦を4-0、2回戦を3-0と大勝したことで、石川を温存することができた。
「回復できるように勝つから休んどけ、と伝えましたし、逆に休ませてくれとも言われました。その思いに応えたいです。僕は声を出すタイプではないですけど、背中でチームにいい影響を与えてくれと言われました」
無念の負傷で離脱した仲間を選手権の舞台に立たせたいという思いも、第94回目を数える選手権の大会史に残る圧巻のロングシュートには込められていた。「次もチャンスがあれば自信を持って決めたい」と辻が意気込む中、3回戦の相手は前回王者の星稜高校(石川)に決まった。辻の右足から放たれたボールが青空に描く鮮やかな軌跡は、準々決勝進出、そして、悲願の初優勝を手繰り寄せることができるだろうか。