ヘイトスピーチを問う:戦後70年

2015-01-13 157

特定の人種や民族に対して差別や憎しみをあおるヘイトスピーチ。京都市の朝鮮学校に対して行われた街宣活動について「違法な人種差別にあたる」とする判決が、先月、確定した。去年8月には、国連の人種差別撤廃委員会が日本政府に法規制を勧告するなど、日本がヘイトスピーチとどう向き合っていくのか問われる事態に発展している。番組では、ヨーロッパの法規制をめぐる動きや歴史的な事例なども盛り込みながら、ヘイトスピーチが照射する現代社会の姿を見つめていく。

デモでは、「韓国人は出ていけ!」「首をつれ!」「焼身自殺しろ!」と連呼しています。参加者は男性もいれば若い女性もいます。なぜ、特定の民族をこれほどまで憎むのでしょうか。

デモでヘイトスピーチを行う右派系市民グループは、在日韓国人・朝鮮人が生活保護の需給などの面で日本人にはない特権を与えられていると主張しています。活動に参加している会社員は、暴力的な言葉を使うことに意味があると考えて、「相手を傷つけている感覚は持っていますか?」という問いに、「ほぼ持っていない」と答えています。特権を持っているから相手を傷つけてもいいということなのでしょうか?表現の自由があるから相手を傷つけてもいいということなのでしょうか?一方、国はこうした特権はないとしています。

ヘイトスピーチに対して国連は人種差別にあたるとして、日本に規制を急ぐよう勧告しています。ヘイトスピーチが暴力にまで及んだ国があるためです。アジアや中東からの移民がヘイトスピーチの標的になっているギリシャでは、おととし移民への暴力や差別を批判してきた人気歌手が殺害される事件が発生しました。多様なもの、相容れない意見を受け入れない「不寛容」。

現在の「反日」「嫌韓嫌中」、歴史の事実をすり替え否定して、他民族への憎悪をあおる風潮は、関東大震災の時の朝鮮人虐殺が起きた直前の風潮に似ている。憎悪と不寛容がヘイトスピーチに止まらず、文字通りの暴力・殺戮につながるおそれさえある。

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