去年1年間の日本の貿易収支は円安で原油やLNG=液化天然ガスの輸入額が膨らんだことなどから11兆4745億円の赤字と、過去最大の赤字になりました。
日本の貿易赤字はこれで3年連続です。
財務省が発表した貿易統計によりますと、去年1年間の輸出額はアメリカ向けの自動車の輸出が増えたことなどから、69兆7877億円となり、前の年より9.5%増加しました。
これに対し、去年の輸入額は火力発電の燃料となる原油やLNGの輸入額が円安で膨らんだことに加え、中国や台湾からのスマートフォンの輸入が増えたことなどから、前の年を15%上回り、これまでで最も多い81兆2622億円に膨らみました。
この結果、輸出から輸入を差し引いた去年の貿易収支は11兆4745億円の赤字となり、赤字額はおととしの6兆9410億円を大幅に上回って、過去最大となりました。
年間の貿易赤字が10兆円を超える規模にまで膨らんだ要因の1つは、日本企業の生産拠点の海外移転や競争力の低下などによって、円安が続いてもかつてのように輸出が伸びなくなっていることが挙げられます。
日本の貿易赤字はこれで3年連続となり、赤字が定着することへの懸念が強まっています。