2014/01/20
1kgあたり8,000ベクレル(Bq)を超える放射性物質を含む「指定廃棄物」の宮城県内の総量は、およそ5,000トンとなっている。この指定廃棄物の最終処分場について、環境省は20日、栗原市と大和町、加美町の3カ所を候補地として提示した。
候補地は、最終的に1カ所に絞り込まれる予定だが、市長や町長からは、困惑の声が上がっている。
指定廃棄物の最終処分場候補地を選定する会議が始まるのを前に、各自治体の首長が、続々と会場に入っていったが、いずれも厳しい表情を浮かべていた。
1kgあたり8,000ベクレルを超える放射性物質を含む「指定廃棄物」。
環境省は、各県に1カ所ずつ、最終処分場を設置する方針を示したうえで、4回にわたる会議を開き、県内自治体に選考基準などを伝えていた。
そして20日、仙台市青葉区で開かれた会議で、環境省の担当者から、最終処分場の建設候補地として、「栗原市」の深山嶽、「大和町」の下原、「加美町」の田代岳、3市町の詳細な地区が提示された。
最終処分場の建設を目指す5つの県で、具体的な候補地が示されるのは、現政権では、宮城県が初めてとなる。
選定について、環境省は、観光地への影響や面積などを考慮したうえで、「生活空間」や「水源」との距離、自然環境の豊かさを示す「植生自然度」の3つを総合評価したという。
栗原市長と大和、加美の両町長は、選定手順に対し、それぞれ疑問や困惑の声を上げた。
栗原市の佐藤 勇市長は「(国の案は)当然、駄目だと思う。(栗原市に)説明をしに来るということなので、受け止めて、話の入り口だけは聞く。手順・手続きについては、われわれも立ち会って、いかに無理な話なのかを説明していきたい」と述べた。
大和町の浅野 元町長は「決して良いことではないが、受け止めて。きょう(20日)の説明について、いろいろ聞きたいこともあるので、具体的な内容を確認したい」と述べた。
加美町の猪股洋文町長は「国や県に対する、不信感や憤りを大変感じている。こういう場所に国は設置しようとしている。山の上、豪雪地帯、目の前にダムがある場所が、選定された場所」と述べた。