中国で愛知県稲沢市の市議が覚醒剤を所持していたとして拘束されている事件で新たな情報です。JNNの取材で、市議が拘束されるまでの詳細ないきさつが明らかになりました。
覚醒剤を所持していたとして中国・広州市の空港で身柄拘束された愛知県稲沢市の桜木琢磨市議(70)。19日、稲沢市議会の議長らが情報収集などのため外務省を訪れました。
「稲沢市議会が外務省に対して大変ご迷惑をかけたということをおわびしてきました」(愛知県稲沢市議会・野村英治議長)
先月31日に身柄拘束されてからおよそ20日。JNNのその後の関係者への取材で、桜木市議が中国へ渡航したいきさつが新たにわかりました。
「多額の借金をしてナイジェリア関連の金融商品に投資したが、資金が返ってこなくなったため、返してもらおうと中国へ渡航した」(桜木琢磨市議)
今回、JNNの取材で明らかになった中国への渡航目的。桜木市議は、多額の借金をしてナイジェリア関連の金融商品に投資したものの失敗。資金の回収を図るために中国へ渡航したと話しているといいます。
「往復の航空券は自称ナイジェリア人の黒人男性が用意し、日本で受け取った」(桜木琢磨市議)
そして、中国から帰国しようとした際に、広州市の国際空港で3キロ余りの覚醒剤を所持していたとして身柄拘束されます。桜木市議は覚醒剤が入っていたスーツケースは「広州市で別の自称ナイジェリア人の黒人男性から受け取った」と主張していると言いますが、こうも話しているといいます。
「覚醒剤のようなものを結果として所持していたことは事実です。しかしスーツケースの中に違法な薬物が入っていることは知りませんでした。荷物をうかつに預かったことを後悔しています」(桜木琢磨市議)
5期目のベテラン議員だった桜木市議。自動車関係の貿易会社も経営していたといいます。今年8月に桜木市議に会ったという知人は・・・
「『5年越しの借金を返してもらえる』ということで。2900万円だったと思います。それを取りに行ってそれがもらえなくて、だまされちゃったのではないかな」(桜木市議の知人)
一方、桜木市議が所持していた覚醒剤は3キロ余り。末端価格にして2億1000万円相当になります。
中国の刑法に詳しい専門家は・・・
「あまりにも多量の覚醒剤ですから、もし密輸しようという事実が確認されていれば、有罪になり死刑を言い渡される可能性は極めて高い。よほどの証拠がなければ、司法当局はその弁解を認めないと思います」(一橋大学・王云海教授)
「違法な薬物が入っていたことは知らなかった」と主張している桜木市議。中国の司法当局は近く、桜木市議を逮捕すると見られ、その後、裁判に向けての手続を進めると見られます。(19日18:11)